
こんにちは。しらぬいです。
皆さんは、牛乳でごはんを炊いたことがありますか。
「タイトルにつられてきたけど、どうなるか気になる…。」
「もしかして、水で炊くよりおいしく仕上がる…?」
「炊けたら、牛乳くさくなりそう…。」
いろいろな疑問があると思います。
ちなみに私は、牛乳でごはんを炊いたことがありませんし、これからも予定はありません。
しかし、牛乳でごはんを炊いたという人がいました。
「料理実験系Youtuberやんちゃん」さんです!
今回は、料理実験系Youtuberやんちゃんさんの動画を踏まえて、牛乳でごはんを炊いたらどうなるのか。結果とその原理について考察してきます。
私は、学生時代の6年間と、会社員時代の3年半で10年近く、食品について携わってきており、食品の加工や原理については、それなりの知見があり、現在は食欲評論家として活動しています。
牛乳でごはんを炊いたらどうなるのか分かる。
牛乳でごはんを炊いたときの原理が分かる。
ようになります。
牛乳でごはんを炊くと、一見して普通に炊ける。
実際に牛乳でごはんを炊いてみた。
料理実験系Youtuberやんちゃんさんの動画をご覧ください。
お急ぎの方は、倍速くらいで丁度いいかもしれません。
関係ないですが、私は、後ろにある掃除機?が気になっています。動画のたびに、微妙に位置がずれています。
見た目と味はそれらしく普通に炊ける。
動画では、通常、水でご飯を炊くところを、水を牛乳に置き換えて、分量通りに炊飯しています。
炊きあがりを見てみると、一見して通常のお米です。
試食してみた結果も、若干牛乳の風味があるけど、気にならないレベルで普通に食べられる結果になっています。
おこげができる。
牛乳に含まれるたんぱく質がによって、焦げ目ができます。
パンや、お肉を焼いたときに、焦げ目ができますよね。これは、たんぱく質を高温にさらすと、熱で形が変形して、固形化してしまうからです。
目玉焼きの白身がもともと液体だったのが、焼くと白くなって焼き目がつくのと同じ原理です。
今回は、熱に直接触れている、炊飯ジャーのかまに直接触れている部分が、焼けてしまって、焦げ目がついています。
おこげは、食感や風味のアクセントになるので、好きな人には好きな要素です。
これは、牛乳に含まれるたんぱく質が焼けて固まったから。
つぶだちがよくなる。
牛乳には、水分、たんぱく質、脂が含まれています。その中で、脂がここで役割があります。
脂肪分を炊飯のときに少量加えると、つぶだちがよくなり、一粒一粒の表面に脂がコーティングされます。
油で米がコーティングされると、一粒一粒が、くっつきにくくなるので、粒のたったごはんが炊きあがります。
また、コーティングすることで、お米の中から水分が抜けにくくなり、カピカピになりにくくなります。
コンビニのおにぎりなどには、炊飯のときに油を少量添加して、さめてもふっくらして固くならないような処理をしています。
今回、牛乳で炊いたごはんをあけたとき、一粒一粒がきっちり立っているように見えます。
普通に炊いて食べたら同じような食感でも、おそらく、空気に触れさせて冷ました状態で食べると、牛乳で食べたごはんの方がおいしくなるのではないかと推察しています。
ちなみにこの、かまの外側につく、白いもやもやですが、牛乳が沸騰した時に泡立った部分が、熱で固まったものと推察されます。
これは、牛乳に含まれる脂肪分が、お米の表面をコーティングするから。
牛乳のにおいがそれほど気にならない。
牛乳は温めると、においがきつくなることがあると聞いたことはありませんか。
牛乳の中に含まれている硫黄が、温めると、癖のあるにおい成分を作り出してしまうためです。
しかし、炊飯機の中では、それよりも高温で熱が加えられるため、炊いている間に、におい成分が一緒に飛んでしまいます。
やんちゃんさんも、「途中、牛乳のにおいがすごかったです。」と動画内でコメントしていますが、これは、まさに、炊飯している間に、牛乳のにおい成分が飛んでいってしまっているのが分かりますね。
ですので、炊きあがりには、牛乳のにおい成分が少なくなっているため、それほど気にならなくなっているのです。
牛乳を加熱する例として、ハンバーグのつなぎにつかう牛乳が挙げられます。別に水をつなぎにしてもいいのですが、牛乳をつかうと、よりコクがでてマイルドな味わいになります。
しかし、ここでも牛乳のにおいはほとんど感じません。
それは、高熱を加えた際に牛乳のにおい成分が飛んで行ってしまうからです。
これは、炊いたときに、牛乳のにおい成分が飛んでいってしまうから。
牛乳でごはんを炊くメリットを考察してみた。
価格的メリット
結論から言うと、牛乳をごはんで炊く価格的メリットは全くありません。
牛乳よりも、水の方が、現在の日本ではより安価に手に入るため、コスト面を考えると、水を利用して炊飯した方がよいです。
味などの品質的なメリット
品質上のメリットですが、粒立ちがよくなることが挙げられます。
しかしながら、粒立ちを目的に牛乳を入れるのであれば、少量のサラダ油を使うだけで同じ現象を再現できるため、あえて牛乳を利用するメリットはありません。
牛乳の風味を楽しみたいのであれば、炊飯したごはんに、煮詰めた牛乳を合える方が、より効率的かもしれません。
結論として、水で炊いた方がよいと個人的には思います。
料理実験系Youtuberやんちゃんさんのご紹介
ツイッター上で出会いました。やんちゃんさんの動画がツイッターで宣伝されていたので、動画を拝見したところ、これは面白いと思ったので、すぐにフォローしてチャンネル登録しました。
今回の、「牛乳でご飯を炊いてみた」動画以外にも、「蒙古タンメンを牛乳で戻してみた」など、日常の食品を組み合わせて実験している動画シリーズを投稿されています。
気になった方はぜひ、やんちゃんさんのチャンネルをチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/channel/UC-AF3SJlbETdyWhFhfezYUQ
やんちゃんさんの動画は、普段生活していたら気づかない視点で、食に関する新しい価値観を提供してくれるものなので、よりみなさんの食への関心が高まって、理解が深まればいいなと思って、今回解説させていただきました。
他にも、「【料理実験】蒙古タンメン中本を牛乳で戻したらどうなるか。原理も合わせて解説。」で料理実験系の動画を取り上げて解説しています。
一般に数多くある料理系の動画って、結構「美味しく作るための動画」が多くて、「料理をする人向け」の「それなりの手間がかかる料理」」の動画が多いんですよね。
それが、やんちゃんさんの動画だと、意外性のある組み合わせだったり、一人暮らしで出来るレベルの本当に簡単な組み合わせ料理を提案しているので、「料理をやらない人」でも食を豊かにできる料理動画になっていて面白いです。
通常の料理系動画と比べてもターゲットが異なっていて面白いと思っているので、株があったら買わせてほしいくらいです。
今回は、ブログ記事の題材として扱わせていただきました。ありがとうございました。
余談:今回の企画記事の背景
解説してよいか、やんちゃんさんに問い合わせしました。
私自身、食を豊かにしたいと思って、日々情報発信活動をしています。
やんちゃんさんのツイッターから動画を見て、とても興味がわいたので、ツイッターで大絶賛しました。
すると、やんちゃんさんからダイレクトメールをいただきまして、ぜひチャンネル登録をしてくださいとの連絡をいただきました。
そこで、ちょうど私も、やんちゃんさんの動画が気になっていたので、記事にしていいか打診したところ、ご了承いただいたのが今回の背景です。
私が何者かということですが、詳しくはプロフィール記事に記載していますので、よかったらチェックしてみてください。
解説記事の狙い
私は、食品メーカーで、商品開発を担当しています。
食品メーカーが作る味というのは、実は、価格調整や、安定して手に入る原材料を作ってでしか作ることができないので、表現できる味には制限があります。
食品の商品開発の開発室では、めちゃくちゃ美味しいものが作れても、それを量産化できなかったり、社内プレゼンテーションで通らなかったり、はたまた、発売はしても売り先がかみ合わずすぐに販売終了になることが多々あります。
自分の知らないものを食べてみて、それが意外に美味しかったときの幸福感って、みなさんに共通してあるのではないかなと思っています。
一人暮らしの男性や、お惣菜やインスタント麺で普段生活している人って、いつも食べるものの味が一辺倒で、食の豊かさから遠のいてしまうと思っていて、いわゆる「知らない味」が多いです。
幸福感を押し付けるわけではないですが、特にこだわりがないのであれば、美味しいものを知る機会があって、人生豊かにしてみたらいいのではと思っています。
(多分、海外旅行に行った人が、やたらとまた行きたがる感覚に似ている気がします)
ですので、プライベートで試作をし、新しい美味しさを動画を通して発信しているやんちゃんさんの動画を私は応援したいと思っています。
今後、ご要望があれば、別の動画についても解説したいと思います。
皆さまの生活の一助になれば幸いです。
それでは。