
こんにちは。
皆さんは、濃縮還元100%果汁オレンジジュースを飲まれたことはありますか。
スーパーで並んでいて、商品にはでかでかと「濃縮還元」!と謳われているものもありますよね。
「濃縮して、そのあと還元するの?無駄じゃない?」
「そのまま詰めればいいんじゃん・・・」
と思われる方もいるかもしれません。はたまた、
「そもそも、濃縮還元って何?」
と思われる方もいるかもしれません。
今回は、100%果汁濃縮還元オレンジジュースが濃縮還元される理由について、解説していきます。(当然、オレンジジュース以外の他の濃縮還元フルーツジュースにも当てはまる話です)
そもそも濃縮還元とは。
濃縮還元を説明するには、「濃縮」と「還元」を分けて説明します。
濃縮とは、水分を飛ばして、果汁を濃い状態にすることです。
鍋で醤油を煮詰めることと同じで、煮詰めれば煮詰めるほど、液が濃い状態になります。
果汁を煮詰めて、濃い状態にすることを「濃縮」と言います。
逆に、「還元」とは、元に戻すことを言います。
濃縮した果汁に、水を加えて、元の果汁に戻します。
濃縮するのは、水を飛ばして、濃度を濃くすること、還元は、濃縮したものを元に戻すことを言います。
オレンジジュースを濃縮還元をするのは、保存性を持たせるため
果汁を濃縮すると、濃度が濃くなるため、腐りにくくなります。
また、オレンジなどの果実は、年間を通して、収穫時期が決まっており、オレンジジュースは、その時期にとれたオレンジを使うことになります。
そうなると、収穫時期以外には、オレンジジュースを飲むことができません。
しかし、年がら年中オレンジジュースは流通しています。
それは、収穫したオレンジの果汁を保存しているためです。
果汁を濃縮すると、微生物の繁殖を抑制できるので、保存性を持たせることができます。
また、濃縮すると、容積が小さくなるため、保管スペースの確保にも有効です。
そのため、濃縮することで、年間絶えずオレンジジュースを店頭に出回ることができるのです。
オレンジジュースを濃縮還元をするのは輸送コストの削減のため
輸送コストの削減というとピンとこない方がいるかもしれません。トラックに詰めるオレンジジュースの量はどのように決まるかというと、重さと体積で決まります。
オレンジジュースを濃縮する(水気を蒸発させて、オレンジの成分を凝縮させる)と、オレンジが濃い状態になり、さらに、体積(容積)が小さくなるので、オレンジジュース一本当たりの量が小さくなります。
運ぶために余計な水分を飛ばすことで、トラックにより多くのオレンジ成分を詰められるようになるため、オレンジジュースは濃縮されるのです。
オレンジジュースの濃縮還元は、生産者、消費者両方にメリットがある。
オレンジジュースの濃縮還元は、輸送者にはコスト削減のメリットが、消費者には、いつでも美味しいジュースが飲めるというメリットがあります。
店頭に並んでいる価格で消費者さんが購入できるのは、濃縮還元という技術によってコストの削減が行われているからに他ならないのです。
果汁100%ジュースが、日常で当たり前に飲むことができることに感謝しつつ
此度は終わりたいと思います。
それでは。